管理人の私は普段、佐賀県金立にあるアサヒ薬局で、薬剤師をしています。
ここには、児童精神科にかかる発達障害、アスペルガー、不登校など、様々なお子さんがいらっしゃいます。
私自身家族に精神障害を持つ人がいて、ご家族や本人の葛藤がわかるため、
自閉症のお子さんを持つお母さんたちの悩みを時間をかけて聞くことを心がけているのですが、
その中で感じたのは、学校関係者はじめ一般の方々が自閉症への理解がほとんどなく、
そのために、奇異な目で見られたり、厳しく怒られたりと、
自閉症を持つお母さん方が苦しむケースが多いということでした。
そこで、一般の方々にも自閉症への理解を深めてもらい、そうすることで、
社会が温かく適切に自閉症の方を受け入れるようになるのではないかと
思い、今回の会を開くことにしました。
東田直樹さんは会話が難しい重度の自閉症をおもちです。
しかし、文字盤やパソコンを使って、会話をしたり、ご自身の想いを
つづることができます。
東田直樹さんは13歳の頃書かれた、『自閉症の僕が跳びはねる理由』という本の中で、
どうして自閉症の人が跳びはねたり、急に走り出したり、
独り言が止まらなかったりするかの理由を語られます。
脳の一部の障害により、
自分の意志とは関係なく、奇声を発したり、
フラッシュバックが起こったり、記憶が
つながっていなかったりするのです。
そんな「壊れたロボットに閉じ込められた」ような状態がどんなに辛いことか、
周りに迷惑をかけることをを、どんなに悲しく思っているかを
彼の言葉を通じて私たちは気づかされます。
しかし、自閉症の僕たちは頑張りたいと思っているから、
見守って下さいと直樹さんは言います。
それから、私たちは直樹さんの映像を鑑賞しました。
直樹さんの本はミッチェルさんという翻訳者の力で世界に届き、
多くの自閉症を抱えた親たちを勇気づけます。
翻訳者のミッチェルさん自身も
自閉症のお子さんがいらっしゃり、日本まで直樹さんに逢いに来られます。
直樹さんとの対話の中で、
親はそのままで十分です、という言葉に安どと感動を覚えられます。
その時のミッチェルさんの幸せそうな笑顔、対話を終えた直樹さんが
何度も嬉しくてジャンプする姿に、私たちは自然と笑顔になり、
知らないうちに涙をこぼしていました。
直樹さんはまた、沢山の詩を書かれます。時に哀しく、透明な詩の数々は、私たちの心を
浄化する力を持っています。みんなで直樹さんの詩を朗読しあい、本当に満たされた
いい時間を過ごしました。
その後のお喋りタイムでは、自閉症をお持ちのお母さん方もそれぞれ
感じたことを語って下さいました。
直樹さんは『僕らの夢』という詩の中で、健常者も障碍者も繋がる未来を語られます。
その詩のように、障害のある方もない方も伴に豊かに暮らせる社会になりますように。